30周年スペシャルインタビュー
ヨネックスと30年、
限界突破に挑み続けるライダーたち
冨田せな
雪国・新潟・妙高で育ち、幼少期からスノーボードと共に歩んできた冨田せな。中学1年でJSBA公認プロ資格を取得し、早くからその才能を発揮。以降、国内外の大会で経験を重ね、近年は世界最高峰の舞台でも表彰台に立つ活躍を見せている。着実な成長を重ねながら、日本を代表するハーフパイプライダー。
幾度もの挑戦と経験を重ねてきた冨田せな。
その背景には、雪国で育まれた感覚だけでなく、日本が長年培ってきた技術とクラフトマンシップの蓄積がある。
しなやかさと力強さを両立する滑りは、伝統を礎にしながらも進化を続けている姿の表れ。
積み重ねてきた時間が今のスタイルへどう結びついているのか、その声を聞いていく。
普段はどのような日常を過ごし、どんな練習環境で滑っていますか?
今はスノーボード中心の生活をしています。夏はウエイトトレーニングと、小布施クエストや熊谷クエストに通ってスノーボードの練習。冬に入れば海外で練習を行い、大会を転戦しています。シーズン中はなかなか日本で滑る機会が減ってしまいましたが、日本でも、息抜きとしてスノーボードを楽しんでいます。
海外に飛び出し、国際大会に出始めた頃の思い出は?
小さい頃から海外で滑ることが夢だった私が、初めてスノーボードを持って海外へ渡ったのは国際大会への出場でした。スロープスタイルの大会で、楽しさと同時に大きな悔しさも味わったのを覚えています。夢の舞台に立てたものの、すべてが大きく見えて、自分がとても小さく感じられました。その瞬間、「海外でもっと大きな存在になりたい」と強く心に誓いました。
同時に、いろいろな国でスノーボードができる喜びや、評価してもらえることの嬉しさも感じました。キャリアの初めは、多くの先輩の背中を追いかけ、とにかくがむしゃらに努力していた時期でもありました。
キャリアの分岐点になった大会は?
2017年のUS OPENです。招待制の大会で、私に声がかかってとても嬉しかったのを覚えています。出場が急遽決まったので引率の方とは現地合流となり、ドキドキでアメリカへへ向かいました。この大会の結果がきっかけとなり、翌年からワールドカップを転戦するようになりました。1人で不安いっぱいでしたが、本当に行って良かったなと思っています。
今までに直面した最大の壁と、それを乗り越えて今の自分に活きている教訓は?
私は怪我でシーズンを棒に振ってしまうことが多かったです。その時はもちろん悔しいし、周りとの差を強く感じることもありました。ですが、怪我を乗り越えて今思うのは、全てが無駄ではなかったなということです。怪我をきっかけにスノーボードと改めて向き合い、深く考える時間を持てたからです。怪我をしないための体づくり、そしてスノーボードと向き合うための気持ちづくり。この2つは本当に大切だと思います。
”自分らしい滑り”を一言で表すなら?
私は、男らしくかっこいい滑りで自分らしさを表現したいと思っています。グラブにもこだわりを持ち、スタイルを際立たせて、見る人の印象に残る滑りをしたいです。
ヨネックスとの出会いと、その後について教えてください。
私は2018年からヨネックスを使っています。軽くて、扱いやすいのがお気に入りです。国際大会を中心に出場するようになってからもずっとヨネックスの板で滑り続け、その結果、さまざまな大会に招待していただけるようになりました。海外でも評価されるようになり、自分の滑りに対しても自信を持てるようになりました。
ヨネックスには長年お世話になり、たくさんの経験をさせてもらいました。我々の関係はまさに「信頼」そのものです。競技において、今使っているギアを信じているからこそ、今の私があるのだと思います。
ヨネックスとの関わりを通じて、自分にどのような変化があったと思いますか?
若手の頃に比べて、より密に関わらせていただくことが多くなり、また、たくさんの方と関わることによってブランドとのコミュニケーションが上手く取れるようになったかなと思います。
ブランドと共に商品開発することで、何か変わりましたか?
スノーボードがより楽しくなりました。いろいろ試したものが商品となり、たくさんの方がそのブランドのものを手にしているのを見ると、とても嬉しいです。この経験を通して、私自身も誰かの目標となれるような人になりたいと思うようになりました。だからこそ、見る人の心に深く残るようなライディングをしたいと思います。
使用するヨネックスのボードについて、個人的な感想を教えてください。
私が使用しているボードは「SLEEK」です。女性でも扱いやすいオールラウンドモデルですが、構造はとてもしっかりしていて反発力もあり、スピードを出した時でも安定してブレることなく技を仕掛けることができます。
不安なくスノーボードに集中でき、スピンやエアーの高さにもつながり、自信を持って滑ることができて頼りになります。
最後に30周年を迎えるヨネックスに向けて一言
30周年おめでとうございます。私がヨネックスにお世話になり始めてもう9年です。たくさんの先輩ライダーと共に、歴史あるブランドと一緒に戦えることを嬉しく思います。
私もその歴史に恥じないよう、そして子どもたちにも憧れてもらえるような存在になれるよう、今後もヨネックスと共に絶えず前に進んでいきたいと思います。